奨学金制度と大学進学

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一番選ばれている奨学金団体「日本学生支援機構」

昨今、奨学金事業はさまざまな団体が実施しています。例えば私立大学が行っている独自の奨学金制度であったり、都道府県が実施している奨学金制度であったり、個人が設立した非営利組織が実施している奨学金制度です。しかし、これらの奨学金は募集人数が少なかったり、返済方法や利率、応募方法などがあまり公にされていなかったり、受給にあたり細かい条件が設定されていたりすることから、実際に受給している人は多くありません。

国として用意された奨学金団体

日本学生支援機構の奨学金制度は募集人数に大きな制限が無く、毎年2回選考が実施され、応募の方法や返済の条件といった各種資料も広く公開されていることから、奨学金を受給している学生の大部分は日本学生支援機構の奨学金制度を利用しています。

日本学生支援機構の奨学金制度とは

有名な奨学金であることから聞いたことがある人も多いと思いますが、大学や都道府県の奨学金制度ではなく、国の事業として行っている奨学金団体のことを日本学生支援機構と呼びます。 こちらでは大学進学を希望する意欲と能力のある学生であれば、大学の授業料や下宿代といった様々な用途として使うことができる奨学金を広く貸与しています。最近では大学生の2.6人に1人は日本学生支援機構の奨学金制度を利用しています。

もし、特別な才能や成績があれば日本学生支援機構の奨学金よりも条件の良い団体から受給することも可能ですが、一般的に奨学金を受給するとなった場合、まず第一に日本学生支援機構を検討します。

日本学生支援機構の奨学金の種類

日本学生支援機構の奨学金は主に2種類に分けられ、返済期間中であっても利息が発生しない第一種奨学金と、少しですが利息を支払う必要のある第二種奨学金に分けられます。※どちらも大学在学中は無利息。
それぞれの毎月の受給可能金額と利息の条件をまとめると次のようになります。

第一種奨学金 30,000円~64,000円 ・・・大学在学中~返済が終わるまで無利息
第二種奨学金 30,000円~120,000円・・・大学在学中は無利息ですが、返済中は年0.2%~1.5%程度の利息有
※私立大学の学部によってはさらに20,000円~40,000円の増額有

第一種奨学金は利息がつかない奨学金であることがメリットですが、最大でも64,000円の貸与となっていることから、この奨学金だけでは下宿代、授業料、生活費といった費用全てをまかなうことはできません。 第二種奨学金は利息を支払う必要があるというデメリットがありますが、最大で160,000円の貸与となっていることから、大学生活中の諸費用のほとんどをまかなうことができるメリットがあります。

両方の奨学金に申し込むことが可能

この2種類の奨学金は両方合わせて申し込みを行うことが出来る為、第一種奨学金だけで大学に進学出来るのであれば第一種奨学金のみ申し込みを実施し、これだけでは足りない、心もとないという方は第一種奨学金と合わせて第二種奨学金に申し込むことができます。2種類の奨学金に申し込んだ場合は最大で毎月224,000円の受給が可能です。(第一種奨学金64,000+第二種奨学金120,000+学部による増額分40,000=224,000/毎月)

224,000円という金額は親からの仕送りが無かったとしても、授業料や書籍代、パソコンや住居費、食費など全ての費用を差し引いてもおつりが出るほどの金額です。これだけの金額があれば大学に進学することを前向きに検討できるのではないでしょうか。

平成26年度には日本学生支援機構の奨学金を利用している人は133万6436人もいます。(JASSO年報 平成26年度版より)
こちらの奨学金を利用し、大学に進学することを検討してみるのはいかがでしょうか?

外部リンク 日本学生支援機構 大学で奨学金の貸与を希望する方へ

なぜ2.6人に1人は日本学生支援機構の奨学金を選んだのか?それには4つの理由がある。

1 最大で20万円を超える奨学金制度を大規模展開している団体は日本学生支援機構しかない。

数万円の貸与型奨学金であれば都道府県や大学など、実施している団体は数え切れないほど存在しています。しかし20万円を超える奨学金制度を大規模展開している団体は日本学生支援機構ぐらいしかありません。 この20万円という数字は利息が必要となる第二種奨学金も含めた金額ですが、第二種奨学金の利息はせいぜい0.2%~1.5%程度です。もし同等の金額を銀行から教育ローンとして借入れた場合は最低でも1.5%を超える金利が必要です。

給付型奨学金だけで卒業するのは少し難しい

またもし特別な才能や成績を持っている人であれば返済が必要ない給付型の奨学金に採用されることがあります。しかし給付型奨学金の多くは月額数万円程度となっている為、これだけでは学費をまかなうことができません。 そこで給付型奨学金に採用されている人であったとしても給付型奨学金と本学生支援機構の奨学金との両方を併用して受給するのが一般的です。

私の場合151,000円貸与して頂きました。

私の場合をお話しますと、地方の田舎から大阪の国公立大学へ進学、地元からは数県離れているためアパートを借りてひとり暮らし。 母子家庭でしたので親からの仕送りは全く無し。学費も生活費もすべて自分で工面する必要有り。という超絶ハードモードな大学進学でしたが、日本学生支援機構の第一種奨学金と第二種奨学金の両方に申し込みし、月額合わせて151,000円の貸与をしていただけたことで、無事に卒業することができました。
※ちなみに5年程度で全て返済しました。

2 大学に進学できるほどの学力を持つ人であれば間違いなく貸与してもらえる。

日本学生支援気候の奨学金は定員数が決まっていません。この為、ある程度の学力を持った人であれば誰にでもチャンスのある奨学金制度です。 もちろん多少のハードルはあります。例えば無利息である第一種奨学金の採用基準は無利息ということもあり、成績が平均3.5以上必要です。平均3.5という成績は真面目に勉強に取り組んでいた生徒であれば簡単に越えられるハードルではないでしょうか?もし、平均が3.5以上無かった場合は第二種奨学金の応募することが可能です。第二種奨学金を落ちる人・・・というのはなかなか考えられません。

そもそも奨学金希望者が多すぎることで日本学生支援機構の予算が無くなってしまうということは起こりません。日本学生支援機構は予算が無くなりそうになれば銀行や投資家といった民間の団体から出資を募る事が可能です。国の事業として実施している為、信頼が厚いことから少ない費用で大量の資金を集めることができます。

出資してもらったからには日本学生支援機構は銀行などに利息を支払う必要がありますが、これは第二種奨学金として学生に貸し出している奨学金の利息収入から支払うことが可能です。国の事業であるからこそ、ほぼ無限に資金を集めることができ、これを第二種奨学金として貸し出したとしても日本学生支援機構自体にはデメリットが存在しません。※返済されないという信用リスクは抱えます。

日本学生支援機構の奨学金は受給に際し、求められる成績の水準が低いことに加えて、予算切れによる制約がない。だから大学に進学できるほどの学力を持った人であれば間違いなく、貸与してもらうことが可能です。

3 奨学金の返済は卒業年の10月27日よりスタートと、余裕をもった返済スタート。

奨学金を借りる時に意外と盲点となるのが、いつから返済が必要なのか、という点です。

大学を3月に卒業してからは半年ぐらいは多忙な日々が続くと思います。新社会人として着なれないスーツを着て仕事をしたり、新入社員歓迎会に出社したり、引っ越しをしたり、車を買ったり・・。特に初任給は特別なことに使いたいとは思いませんか?

卒業から半年程度経過した10月からの返済であれば、例え寸志であろうとも夏のボーナスも受け取っているはずです。新社会人としてしっかりとしてスタートダッシュを決め、落ち着いた10月頃に返済が開始となるのが日本学生支援機構の特徴でもあると言えます。

4 もし就職できず、返済が行えない場合でも返済の猶予がある。

運が悪く、就職活動をしている時、日本は世界的な不況まっただ中。大企業の多くは採用者数を減らすといった施策を取り、新卒の内定率も例年稀にみる低さ。自分も良い会社に就職することができなかった。
年収も300万円にも満たない金額になってしまった。もしこのように返済が難しい状況に陥ったとしても日本学生支援機構には返済猶予制度があります。

例えば所得連動型無利子奨学金の場合、卒業後に一定の収入(給与所得者収入300万円、給与所得者以外所得300万円)を得るまでの間は無期限で返還を猶予することができます。
月給25万円×12カ月(ボーナス無し)であれば年収300万円となりなすが、大学の初任給は19万~21万が多いことを踏まえると、多くの方は返済の猶予が可能ではないでしょうか?

奨学金の申し込みについて

日本学生支援機構の奨学金の申し込みは基本的には現在在学している高校学校を通じて行うことになります。
学校によって少し時期が変わりますが、例年であれば夏ごろに第一回目の申し込みとして、奨学金についての資料が担任の先生を通して配布され、希望者には放課後説明会が開かれ、後日、みんなでまとめて申し込み手続きを行うことになります。

この夏の申し込みでは第一種奨学金と第二種奨学金に応募することができます。第一種奨学金は採用のハードルが少しだけ高いということもあり、念の為両方の奨学金に応募することをお勧めします。※第一種奨学金に採用が決まった場合、第二種奨学金を辞退することも可能

第二回目の申し込みは例年では秋ごろに開催されています。第一回目の申し込みと違い、第二回目の申し込みでは第二種奨学金にしか申し込むことができないので注意が必要です。第一種奨学金に応募したいのであれば、必ず夏ごろに開始される第一回目の申し込みを行いましょう。

その他日本学生支援機構のデータなどはこちらで紹介しています。
日本学生支援機構 各種公開データまとめ

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